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2005.10.18

久々ヒットの面白エッセイ

本の紹介サイトで評判のよかったこの本を読んだのです。

4560049335『気になる部分』
岸本 佐知子
白水社 2000-09

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ふふふっと笑えるエッセイ集。
著者は翻訳家。ニコルソン・ベイカーという作家の本の翻訳で知りました。


このベイカーさんが奇妙な作風の人でして。
とあるサラリーマンがエスカレーターで中二階のオフィスへ戻るまでの僅かな時間に考えたこと、ってのを長編小説にしたり(『中二階』)、
会員制えっち電話で知り合った男女がお互いに「何にいちばん興奮するか」を喋り続ける、始めから終わりまで電話の会話で成り立ってる小説(『もしもし』)を書いたりしてます。

そんな不思議な作品の翻訳者である岸本さんもまた、不思議な人でした(笑)
発想することが他の人とはちょっと違ってて、それが目ウロコだったり。


「私の考え」という一編が、著者が普段考えてることの小ネタ集みたいになってて面白かったので、その一節を引用してみますね。ちょっと長いけど。

-----------引用開始-----------

 ある時、同い年の友人と話していて、ふいに愕然となった。“同い年”といっても、彼女は私より半年早く生まれている。ということはつまり、私がまだ粟粒ぐらいの大きさで、ちまちまと「卵割」かなんかをやっていた時、彼女はすでにその一万倍ぐらいの大きさで、人としての体裁を整えていたのである。彼女が人間としてこの世に認知されて名前までつけられている頃、私はまだわびしくエラ呼吸なんぞをしていたのである。なんという凄まじい差だろうか。対等だなどと思っていた自分が馬鹿だった。以来ずっと、自分より数か月早く生まれた人に対して、畏怖の念をいだいている。

----------引用ここまで----------


確かにそうだよなー。
早生まれの自分が羊水のなかで育ってた頃に、同じ学年で春に生まれた人はハイハイしてたんだもんな。
そう考えるとすごい差ですよ。

その他の話も面白いです。微かにせつない掌編もあったりします。
おすすめの一冊。

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コメント

確かにそうですね。赤ちゃんのうちで3ヶ月も違うと体の大きさも行動もかなり違うし。でもだからといって大人になってから半年早く生まれたからといって早く老ける、とかはヤですけどね(苦笑)
このエッセイ、ちょっと読んでみたいかもです(^^)

小さい頃は早生まれで損だと思ったけど、今はありがたいです(笑)
この本、5年前に出版されたものだから書店の店頭にはないかもね。
よろしければぜひお読みください(^-^*)

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